“Leave Me Alone”

・この記事は、「ミクシィ」に6/27 AM3:30ごろ書いたものの「コピー」です

 マイケル・ジャクソン追悼ということで、個人的には1つ選ぶならこれしかないという「リーヴ・ミー・アローン」のビデオクリップを。


 曲は伝説のアルバム「BAD」のラストナンバー。(実は、収録時間の関係でCD版にだけ収録され、LP・カセットには収録されてなかったりするのですが)
 曲そのものも良い曲だと思いますし、今回「mora」にあったので思わず買いましたが、見どころはミュージッククリップ。

 「不思議の国のマイケル」という感じの映像ですが、当時からゴシップ・キングでもあったマイケルが、キッツイ皮肉で返しているようなクリップにもなってるんです。
http://www.youtube.com/watch?v=CJvfnQ_E7uw
(↑'12/6/12 リンク切れ修正)


 わたしがこれを見たのは、当時の「ベストヒットUSA」。(たぶんこの曲がシングルカットされた'89年のはず) ちなみにこの皮肉返し、実はわたしが気づいたわけではないんです。ビデオの後で小林克也さんが触れられていました。
 そう思って見直すと、山のようなネタが見えてきます。たとえば前奏の部分で次々と投げられるゴシップ誌には、大きな見出しでマイケルのスキャンダルが。(1番に入るとマイケルが冷凍保存されてる、なんてのも)。サビの“Leave me alone”は、芸能記者に向けた「放っておいてくれよ!」にも聞こえます。(曲の中では、昔は好きだった「元」恋人に言っている言葉なんですけどね。)
 っていうか、1番の最後の歌詞は“Just Stop Doggin' Me Around”(意味は「ボクのことを、犬みたいにしつこくつけまわすのはやめてくれ」。直後に背広を着た犬がチラっと写る)ですし、間奏が終わるあたりでカメラが目の前に現れて写したり、これは絶対わざとですねー。


 しかし、その後のマイケルの生涯を思うと、この皮肉返しは、さらに何倍もの勢いでマイケル自身に返されてしまったような気がしてなりません。たとえばラストの「マイケルの動きによって、夢の国が壊される」シーンとか、作った側の意図はガリバー旅行記のパロディとかだったんでしょうけど、マイケルが後に自分専用遊園地「ネバーランド」を手放さざるを得なかった経緯とカブっているようにも思えますし……。
 曲はマイケル黄金時代のものではありますが、今振り返れば黄金時代の終わりごろの曲でもありますし、色々な意味で「予言」になってしまった、そんな気がするビデオクリップです。


P.S.
 これ、実は追悼として書こうと思ってたものじゃないんです。あのツアーが無事に行われ、大成功したあかつきに書くつもりで考えていたものなんです。
 書き出しは「ツアー大盛況! マイケル見事に復活ですね。実はお気に入りのビデオクリップがあって、少し前までのアレな状況とキレイにシンクロしすぎてたんで、紹介を遠慮してたんです。でも、復活したから遠慮せずに書きますよっ!」で、はじめる…つもり…、だったんですが……。